平成27年 総会開催にあたって

後藤 敏彦(サステナビリティ日本フォーラム 代表理事)

後藤敏彦
会員の皆様

昨年度の報告とともに新年度の活動につき様々な企画を立て皆さまにおはかりします。

皆様ご自身が実感されていることと存じますが、企業のCSRが大きく動き出しています。何故なのかをさぐることが適切に対処するうえで最も重要なことと確信しています。
世界の流れからは少し遅れていますが、日本でも金融庁が昨年2月にスチュワードシップ・コードを、12月にはコーポレートガバナンス・コード原案を公表しました。GPIF(年金積立金管理運用独立法人)がESG投資の研究を始めたとの報もあり機関投資家を始め金融機関でのESG研究に火が付きだしたようです。事業会社としても機関投資家からの対話に対応するには短・中・長期にわたるリスク要因かつリターン要因としてのESG方針・戦略等を見直す必要があります。コーポレートガバナンス・コードは経営層の受託責任・説明責任を問うものでCSRそのものといっても過言ではありません。日経新聞は金融庁の「コーポレートガバナンス・コード」を「企業統治指針」と変名していますがおかしいですね。
短・中・長期にわたるリスク要因かつリターン要因としてのESG方針・戦略等は経営企画でもCSR部門でも単独で企画できるものではなく、組織横断的に検討しなければ机上の空論にしかなりかねません。
CSR部門の方々にとっても腕の振るいどころであり、腕の試され所です。
皆様と今年一年勉強を積み重ねていきたいと考えています。

 

プロフィール

後藤 敏彦(ごとう としひこ)サステナビリティ日本フォーラム代表理事 昭和39年東京大学法学部卒業。 サステナビリティ・コミュニケーションネットワーク代表幹事、社会的責任投資フォーラム最高顧問、グローバル・コンパクト・ジャパン・ネットワーク理事、環境監査研究会代表幹事、環境経営学会会長。 環境管理規格審議委員会EPE小委員会・14005国内委員会委員、環境レポート大賞審査委員会委員、JICA環境管理分野課題別支援委員会委員など。著書に「環境監査入門」(共著)ほか、講演多数。

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